マダニとライム病                                  

 ダニといえば忌み嫌うものの代表のように言われ、アレルギーの原因とも言われますが、自然界の生物循環の環の一員として、有機物を小さく分解してくれるという、とても大事な役割を担っています。
 ダニは、クモの親類ですが、池、沼、海など水中生活をする種類や、土の中で生活するもの、植物や動物に寄生する種類など、多くの種がいます。人間に寄生するダニは、イエダニ、ニキビダニ、ヒゼンダニ、マダニ類、ツツガムシ類、などがいます。ダニで媒介する風土病の最も有名なものは、ツツガムシ病です。
 マダニ類は、2mm〜7mmぐらいの大型ダニで、日本では北海道から九州まで広い範囲に分布しています。普通の場合、草や灌木の枝葉に潜んでいる成虫の雌が、下を通る人間に落ちてきて、喰い付かれ、刺されることになります。
 従来は、単なる“虫刺され”で済ませてきましたが、近年、これらマダニの中に、スピロヘータ(Borrelia burgdorferi)を持つものがいることが分かりました。
 このスピロヘータを持つマダニに喰いつかれた場合、ライム病になります。
 山林で仕事に従事する人たち、登山や、ハイキングなどでも、野山に入ったりしたときは、チョット気をつけてみましょう。    
      資料&写真提供   堀内 信之先生(元厚生連佐久総合病院皮膚科医長)
      詳しくは、日本農村医学会雑誌 第50巻第2号 P85〜95を、ご覧ください。)


 西日本新聞、2008年8月2日付けには、次のような記事が掲載されています。
 マダニに刺され 宮崎の女性死亡 感染症を発症
 宮崎市は、1日、山林でマダニに刺された同市内の70歳代女性が、感染症の紅斑熱を発症し多臓器不全により死亡した、と発表した。同感染症は、国内では1984年に徳島県で初めて感染を確認。西日本での発生が多く、宮崎県内でも毎年数件発生しているが死亡例は初めてで、全国的にも異例という。(以下略)


         左胸部の遊走性紅斑 50歳 男



右大腿部の遊走性紅斑 50歳 男

   右耳介に咬着したヤマトダニ 60歳 女