宮入慶之助記念館付属展示品(当館館長 宮入源太郎収集)      
     
 初期のトランジスタラジオ6点
       −長野市立博物館「私のたからもの」展(2001年度)より−
トランジスタラジオの登場〉
 トランジスタラジオは、アメリカで一番最初に発売されました。しかし、その後日本メーカーが一斉にトランジスタラジオを開発し、安くて性能の良い日本製トランジスタラジオが大量に輸出されるようになりました。日本製トランジスタラジオとの競争に敗れたアメリカのメーカーは、その後次々に撤退を余儀なくされました。
 ここにある3点は、創世記のアメリカ製トランジスタです。

アメリカ Regency社製 Model TR-1 4石式ラジオ
 1954(昭和29)年に世界最初に発売されたトランジスタラジオです。
アメリカ General Electric社製 Model 675 5石式ラジオ
 1956(昭和31)年、GEという略称で現在でも有名な電気機械製造会社が発売したトランジスタラジオの一号機です。
アメリカ Philico社製 Model T-7-126 7石式ラジオ
 1956(昭和31)年、家庭用ラジオの有力メーカーの一つとして有名だったPhilico社がそれまでの真空管式ラジオからの転換を目指して発売したトランジスタラジオの一号機です。


〈日本製トランジスタラジオの躍進〉
 敗戦の混乱から立ち直ろうと成長しつつあった日本のメーカーは、1955(昭和30)年に東京通信工業(現在のソニー)が日本で最初にトランジスタラジオを発売したのを皮切りに一斉にトランジスタラジオを開発し輸出しました。
 ここにある3点は、日本の技術力を世界に示した製品の一部です。

ソニー製 TR-610 6石式ラジオ
 1958(昭和33)年、当時としては世界最小のラジオとして発売され大ヒットしたモデルです。愛称「ロッピャクトー」として当時の若者の羨望の的となったということです。世界的にもヒットして、世界各地で模造品が出現し、その数は数十種にも及んだと言われています。この成功が現在のソニーの基礎となりました。
スタンダード工業製 Model SR-H437 8石式ラジオ
 「マイクロニック・ルビー」という愛称で1964(昭和39)年に発売されました。輸出向け専用に販売され、特にアメリカで大ヒットしました。
 今日のようなICがまだ登場していない時代にスピーカーも内蔵してこの大きさを実現したのは日本人の技術力とともに女性作業員の器用さによるものでした。
ソニー製 Model ICR-100 IC式ラジオ
 1967(昭和42)年に世界で最初にICを使った超小型ラジオとして発売されました。トランジスタ14個、ダイオ−ド4個、抵抗14個が入ったICが使われました。電子機器におけるICの可能性を強くアピールするとともに日本の技術力を世界に示す製品ともなりました。
 私が輸出商談に海外出張した頃、当時の商談先にこのICR-100をプレゼントしてラジオを受信して見せた時の相手のビックリした顔が忘れられません。