(抜粋)

宮入慶之助記念館だより 1号

宮入慶之助記念館 2001(平成13)年 1月31日発行


開館に寄せて             宮入慶之助記念館館長 宮入耕一郎


宮入慶之助記念館は、多くのみなさまのご支援のもと、1999年末にようやく開館いたしました。開館後も多くの方々からのご支援、ご来館いただいたことに厚くお礼申し上げます。
 今後も宮入慶之助に関する、資料の収集・整理・検討・研究や、展示施設の拡充・充実のための努力を続けていく所存であります。
 日本における寄生虫疾患は、国際化に伴う流通機構の発達や来日外国人及び海外旅行者の増加、さらにグルメブームによる食習慣の変化やペットブーム等により増加し、深く潜行しながら再流行の兆しを見せつつあります。そして、感染症・寄生虫問題は温暖化という地球的規模の環境問題とも深く関わっており、現代的課題と位置づけられます。こうした背景の中で、この問題についての関心は、残念ながら極めて薄いのが現状です。
 宮入記念館の活動を通して、これらの課題に関する情報発信とご厚意を賜った方々とのコミュニケーションの場として「宮入慶之助記念館だより」を発行することにいたしました。今後とも、変わらぬご支援をお願いいたします。 

筑後川流域、日本住血吸虫病、根絶宣言!(朝日、毎日、読売、西日本各紙の報道より)          

筑後川中流域の風土病「日本住血吸虫病(通称ジストマ)」の撲滅を目指す「筑後川流域宮入貝撲滅対策連絡協議会」は、2000(平成12)年329日、日本住血吸虫病が「ほぼ根絶された。」と宣言した。 連絡協議会は90年3月、流域に「安全宣言」を出していた。その後流域においては、この17年間、日本住血吸虫の唯一の中間宿主であるミヤイリガイの棲息を確認できず、ほぼ根絶されたものと判断した。 連絡協議会は、久留米大学医学部寄生虫学教室との協力で、殺貝剤の散布や、生息域をなくすために河川改修を進め、患者は80年の発生を最後に、ミヤイリガイも83年以降、棲息が確認されていない。 連絡協議会議長は、「長い間の苦労が実ったもので、流域住民や関係機関が協力し、これだけ短期間に根絶できた例は世界的にも例がない。」と話している。
 ミヤイリガイは日本住血吸虫の中間宿主というだけで、貝そのものに害がなく、最終発見地となった久留米市宮の陣町には供養碑が建立された。碑文には「人間社会を守るため、人為的に絶滅に至らされた宮入貝をここに供養する」と刻まれている。
(注)筑後川流域宮入貝撲滅対策連絡協議会とは 筑後川流域の、福岡県(久留米市など3市3町)と、佐賀県(鳥栖市など1市2町)双方の両協議会と、水資源開発公団を加えた3団体で構成。

記念館この一年                事務局 宮入源太郎

 記念館の開館時には、約80名、以後2000年末までに約60名の方々にご来館いただきました。厚く御礼申し上げます。

展示ケースの増強

 展示施設にとって、展示ケースはとても重要な物です。九州大学医学部寄生虫学教室の特別のご厚意により、福岡市博物館で開催された特別展示会「寄生虫学の展開と医の文化」開催を記念して、使用された展示ケースを、ご寄贈いただきました。これを使って、記念館の模様替えを行いました。(5月)

関連諸資料の入手

(1)九州大学医学部寄生虫学教室のご好意により、九州帝国大学教授時代の宮入博士の教室講義風景をコピーさせて頂きました。
(2)宮入博士が、米国ロックフェラー財団の招聘により大洋丸にて渡米出張したときの写真が掲載されている「藤波先生遺影」(清野謙次編、人文書院発行)を入手しました。
(3)山梨県衛生公害研究所の薬袋氏および梶原氏のご好意により、山梨県がミヤイリガイ撲滅のために作成した日本住血吸虫の生活史についてのポスターを入手しました。
(4)東京在住の清永孝氏より、宮入博士の講演内容や論文が掲載された大正911月10日、11日、12日付け及び大正10年1月1日付けの福岡日々新聞のコピーをご提供いただきました。(4月)
(5)水資源開発公団筑後川開発局の一宮氏より、筑後川流域宮入貝撲滅対策協議会の解散についての資料と、記念誌「筑後川流域における日本住血吸虫病と宮入貝」を、ご寄贈いただきました。

久留米大学医学部寄生虫学教室訪問

 久留米大学医学部寄生虫学教室の福間教授、米田講師にお目にかかり、日本住血吸虫病に関する資料の複写をさせていただき、また、宮ノ陣町に建設中の「宮入貝供養碑」を見学させていただきました。その後、日本住血吸虫病克服宣言を報ずる、33031日付けの新聞各紙コピーをお送りいただきました。(4月)

長野市立博物館特別展示で紹介

 7月に開催された長野市立博物館の特別展示「私のたからもの」展に、宮入博士の写真、自筆書簡、著書などを出展しました。

山梨県衛生公害研究所訪問

 3月と9月に、事務局長と研究員が山梨県衛生公害研究所の薬袋氏と梶原氏にお目にかかりました。
 山梨県におけるミヤイリガイ撲滅対策の状況や関連資料等を見せていただきながら、貴重なお話を伺うことが出来ました。帰路、韮崎地域の水田で、いまも棲息しているミヤイリガイを実地に観察する事が出来ました。

ホームページ、E-メールの開設

 1月にホームページを開設しました。(ホームページアドレス、E-メールアドレス       http//www5.ocn.ne.jp/~miyairi/  gmiyairi@triton.ocn.ne.jp

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