マダニとライム病

◆マダニとライム病(ハイキングの時にはご注意)

ダニといえば忌み嫌うものの代表のように言われ、アレルギーの原因とも言われますが、自然界の生物循環の環の一員として、有機物を小さく分解してくれるという、とても大事な役割を担っています。
ダニは、クモの仲間の節足動物ですが、池、沼、海など水中生活をする種類や土の中で生活するもの、植物や動物に寄生する種類など多くの種がいます。人間に寄生するダニは、イエダニ、ニキビダニ、ヒゼンダニ、マダニ類、ツツガムシ類などがいます。ダニが媒介する風土病の最も有名なものは、ツツガムシ病です。
マダニ類は、2mm~7mmぐらいの大型ダニで、日本では北海道から九州まで広い範囲に分布しています。普通の場合、草や灌木の枝葉に潜んでいる成虫の雌が下を通る人間に落ちてきて、喰い付かれ、刺されることになります。
従来は、単なる“虫刺され”で済ませてきましたが、近年、これらマダニの中に、スピロヘータ(Borrelia burgdorferi)を持つものがいることが分かりました。このスピロヘータを持つマダニに喰いつかれた場合、ライム病になります。欧米では年間数万人のライム病患者が発生していますが、日本では本州中部以北で現在までに数百人の患者が報告されています。山林で仕事に従事する人たち、登山やハイキングなどで野山に入ったりしたときは、チョット気をつけましょう。

特徴的な遊走性紅斑 資料&写真提供 堀内信之先生(元厚生連佐久総合病院皮膚科医長)(詳しくは、日本農村医学会雑誌第50巻第2号P85~95をご覧ください。)

 

◆犬にも感染する

また、マダニは人間だけでなく、犬にも感染症を媒介する生き物で、犬に被害をもたらす感染症の一つとして「犬バベシア症」の恐ろしさが叫ばれています。バベシアという小さな寄生虫が犬に感染すると、赤血球を破壊され貧血など引き起こし、死に至ることや完治しない場合もあるということです。散歩中に茂みに顔を突っ込んでいた愛犬の鼻先に突如、無数の黒いイボのようなものが付着していたらマダニ感染の疑いが考えられます。

 

◆新種の感染症

2013年にダニ媒介の新種の感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で山口県内の女性が死亡した例があります。SFTSウィルスは2011年に特定されたばかりで国内で感染により患者が死亡した初めての事例になります。死亡した患者は野山に生息するマダニの一種にかまれて感染したとみられています。

厚生労働省によるとSFTSは2009年ごろに中国で発生が報告され、死亡率は12%程度と推定されています。国立感染症研究所によると患者から見つかったSFTSウィルスの遺伝子を調べたところ、中国で見つかったウィルスとは異なり、日本にもこのウィルスが元々存在していた可能性が高いとしています。

 

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